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スタッフブログ

2017年7月28日 金曜日

ズーノーシス(人畜共通感染症)Part.2

あっという間に夏がきましたyacht・・・・。異常な暑さですsun。熱中症には気をつけましょうsign03

ズーノーシス 第2弾です。

アニサキス症・・・・イルカ回虫、アザラシ海回虫が病原体。
・イルカ回虫の終宿主は、主にイルカ、ハクジラ類です。第一中間宿主はオキアミ、第二中間宿主はスケトウダラ、マダラ、ニシン、サケ、マス、アジ、マサバ、イワシ、スルメイカなどです。
・アザラシ海回虫の終宿主はアザラシやオットセイで、中間宿主はイルカ回虫と同様です。
・第三期幼虫の寄生した魚介類を生食することによって、感染します。




・症状・・・・魚介類とともに摂取したアニサキス幼虫が、胃壁粘膜下に突入するために、胃潰瘍を思わせる周期的な腹部激痛、悪心、嘔吐、発熱などを引き起こします。また、胃を通過して腸に至った場合には、下腹部の激痛、下痢などを引き起こし、まれに腸穿孔や腸閉塞を併発します。
通常、魚介類を摂取後3〜8時間後に症状が現れる場合が多いようです。
・予防のポイント・・・・アニサキス症は、日本国内で最も発生の多い寄生虫感染症です。市販の生タラの切り身やサバやイカに"2〜3cmの白っぽくて細長い虫のアニサキスをみつけることができます。
予防法としては、魚介類の生食を避けることです。また、シメサバ、ナマス、サバ寿司などの酢の濃度では、アニサキスを死滅させることはできません。
・70℃に加熱すれば直ちに死滅するが、50℃では15分間以上の加熱が必要。また、冷凍した場合、−20℃では6時間以上で死滅。

three食中毒を引き起こすズーノーシス

サルモネラ症・・・・サルモネラ菌については、約2200の菌型が知られています。腸炎菌がよく認められます。
・ニワトリ、アヒルの肉・卵、およびこれらの加工品を十分に加熱しないで摂取することによって感染します。あるいは、これらに汚染された食品を摂取することによっても感染します。
・ゴキブリなどの昆虫が媒介することもあります。
・犬、猫、カメなどから幼児に感染する例も多く、注意が必要です。

・症状・・・・通常、6〜48時間の潜伏期間の後、嘔吐、吐き気、下痢、腹痛および発熱を主症状とする急性胃腸炎を引き起こします。
特に幼児では重症化し、けいれん、意識障害を起こし、最悪の場合死に至ることも。
・予防のポイント・・・・特に、鶏卵からの感染に注意が必要です。鶏卵は、冷蔵保存し、賞味期限内に使用するようにしましょう。また、よく加熱すること。

腸管出血性大腸菌感染症・・・・O-157、O-26、O-111など。主にO-157についての説明になります。
・大腸菌は、ウシ、ヒツジ、ブタや人の腸内にも存在し、そのほとんどは害がありません。しかし、中には下痢などを起こすものがあり、病原性大腸菌と呼ばれています。病原性大腸菌は約170種類ありますが、そのうちベロ毒素(後述)を産生し、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こすものを腸管出血性大腸菌といいます。代表的なものはO-157、O-26、O-111などで、重症化するものの多くはO-157です。
・O-157は感染力が強く、通常の細菌性食中毒では細菌を100万個単位で摂取しないと感染しないのに対し、わずか100個程度の菌数の摂取で発症する。
・O-157はウシ、ヒツジ、ブタなどの大腸をすみかとしています。ウシ、ヒツジ、ブタなどの糞便およびそれらに汚染された水、食品、器具、人の手指を介して人の口に入り、感染する。

・症状・・・・下痢、嘔吐。成人では感染しても無症状だったり、軽い下痢で終わることが多い。しかし、その場合でも便には菌が混じって排泄されているので、家族に感染が広がらないよう注意が必要。
・感染者の約半数は、4〜8日の潜伏期間ののち、激しい腹痛を伴った水様便が頻回に起こり、その後血便が出ます。
・子供、老人では、出血性大腸炎から、溶血性尿毒症症候群や発熱、けいれん、脳症、血小板性血栓性紫斑病などへと移行します。

flairベロ毒素とはflair
培養細胞の一種に、ベロ細胞と呼ばれるものがあり、この細胞を破壊する毒素をベロ毒素という(別名 志賀毒素)
ベロ毒素は細胞のタンパク質の合成を止め、細胞を死に至らしめる。ベロ毒素は特に、腎臓、脳、肺などに障害を起こします。

・予防・・・・腸管出血性大腸菌は、75℃で1分間加熱すれば死滅します。


カンピロバクター腸炎・・・・カンピロバクタージェジュニ、カンピロバクターコリが病原体。(カンピロバクタージェジュニによるものがほとんど)
・ニワトリ、ウシなどが保菌している。生、あるいは加熱があまりされていない鶏肉(鶏刺し、タタキ)や、加熱不十分な鶏肉(バーベキュー、焼き鳥など)、牛レバーの生食により感染。または、それらを調理した人の手、包丁、まな板などからも感染する。
・症状・・・・感染した1〜7日(平均2〜3日)後から38〜40℃の発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛などの前駆症状を経て、嘔吐、腹痛、水様下痢〜粘血便などの胃腸炎症状が認められるようになる。


fourその他のズーノーシス

レプトスピラ症・・・・レピトスピラという細菌が病原体。らせん状の体を特徴としたスピロヘータとよばれる細菌の一種で、体の両端がフックのように曲がりくねっている。血清型の異なるものが世界中にたくさん存在する。日本では主に3つの型がみられる。
・原因・・・・一番の原因はネズミです。ネズミのおしっこで汚染された水や土壌を舐めたり接触した皮膚から感染します。それと、感染した犬、家畜の尿などにも菌は排出されるため、触れないように注意する。

 【カニコーラ型】イヌ型レプトスピラともいわれている。
主な症状は腎炎。または出血性の胃腸炎および潰瘍性の口内炎。腎炎と肝炎症状を呈することも多い。40℃を超える高熱、元気消失、食欲不振、嘔吐や血便、血尿などがみられる。


 【黄疸出血型】イクテロヘモラジー型及びコペンハーゲニー型ともいわれている。
急性の腎炎と肝炎をおこし、高熱が出る。食欲不振、嘔吐。口の粘膜や歯茎が充血や出血を起こす。黄疸が出て、尿が濃くなる。人ではワイル病の原因となる。


 【ヘブドマディス型】人のレプトスピラ症《秋疫B》の原因菌により起こる病気で、犬での感染が多い。
腎炎と肝炎を併発することもあり、死亡率も高い。


レプトスピラ症は、ワクチンで予防できます(当院では9種のワクチンで予防可能)。

オウム病
・オウム、インコ、野鳥などが感染源。保菌鳥の排泄物、分泌物、羽毛あるいは病原体に汚染された鳥カゴ、飼料、水からの粉塵を吸引して感染。
・症状・・・・10日前後の潜伏期間を経て発症。
全身症状として、悪寒を伴う突発性高熱の持続、頭痛、全身倦怠、食欲不振、筋肉痛、関節痛など。
呼吸器症状として、乾性の咳、粘液痰を伴う咳、まれに血痰。
心外膜炎、心筋炎などを引き起こす場合もある。
・予防のポイント・・・・口移しに餌を与えない。キスをしない。ゲージの清掃はこまめに行う。糞に直接触れないようにする。鳥に触れたりゲージの清掃をした後は手指を十分に洗う

マダニの媒介するズーノーシス
・マダニは草むらなどに生息しており、散歩の時に寄生する機会を狙っています。
・日本では、2011年に特定され、2013年に初めて死亡例が報告されたウイルスによる感染症、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)ですが、ウイルスを保有しているマダニに咬まれることによって感染します。
・他にも、マダニからうつる病気は、日本では、日本紅斑熱、ライム病などがあります。(犬にはバベシアという病気がある)

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)SFTSウイルスが病原体
・症状・・・・マダニに咬まれてから6〜2週間程度の潜伏期間を経て、原因不明の発熱、消化器症状(食欲低下、嘔吐、下痢、腹痛)が出現します。時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)リンパ節腫脹、咳、出血症状(紫斑、下血)など様々な症状を引き起こします。

日本紅斑熱 リケッチアが病原体
・症状・・・・ダニに咬まれてから、2〜8日後に、頭痛、高熱、発疹、ダニに咬まれた部分は赤く腫れ、中心部がかさぶたになります。発疹(紅斑)は高熱とともに四肢や体幹部にひろがっていきます(痒みや痛みはない)

ライム病 スピロヘーターが病原体
・症状・・・・ダニに咬まれてから1〜3週間後に発熱、食欲不振、元気消失、リンパ節の腫脹など、風邪に類似した症状が認められる。跛行、関節の硬直、疼痛、遊走性の紅斑もみられる。症状が進むと心筋炎、心膜炎が認められたり、神経症状を示すようになる。

ズーノーシスではありませんが、バベシア症について・・・・。
マダニが媒介する病気で、犬バベシア症というものがあります。バベシアという原虫が犬の赤血球に寄生して壊し、犬は貧血を起こします。発熱や食欲不振、黄疸などもみられ、急性の場合は死に至ることもあります。治療をして回復しても、無症状のままバベシアが潜んでいて(無症状キャリアー)、体力や免疫力が落ちた時に再発するおそれもあります。

・予防・・・・マダニに刺されないようにする。マダニは草むらに生息しているので(草の先端で寄生する機会を待つ)、
・できるだけ草むらに入らない
・野山に行く時は長袖、長ズボンなどを着用し、できるだけ肌を露出しない
・頭や顔、首をタオルやスカーフで巻く
・サンダル等を避け、素足がでないような靴をはく
・草の上に直接座ったり、寝転んだりしない(敷物を利用する)
・脱いだ上着やタオルは、地面や草の上に置かない
・屋外活動後はマダニに刺されていないか確認する
・帰宅後はすぐに入浴し、身体をよく洗う。衣服は洗濯する。

マダニは、身体にとりついてすぐに刺すのではなく、身体の柔らかい部位をさがして刺す習性があります。犬猫では、特に頭、眼のふち、耳、鼻の周り、お腹などでよくみられます。被毛で覆われていると身体の方は発見しにくいので、全身くまなくチェックしてあげて下さい。

吸血中のマダニを見つけたら・・・
マダニは皮膚に口器を差し込み、セメントのような物質によりしっかりと食い込んでいるため、無理に取り除こうとすると、マダニの口器がちぎれて皮内に残ったりするので、除去する際は医療機関で処置する方がいいです。動物の場合は動物病院で処置するか、フロントラインスプレーをマダニに直接吹きかけると、しばらくするとポロッと落ちます。今は、食べるタイプのノミダニ薬もあるので、そういうのも活用すると落とせます。
マダニの体液には、病原体が含まれている可能性があるので、つぶさないようにして下さい。




山崎 さやか

投稿者 さとう動物病院